« ロバート・N・ペック「続・豚の死なない日」は素晴らしい! | トップページ | デフォー「ロビンソン・クルーソー」 »

ティム・ゲナール「3歳で、ぼくは路上に捨てられた」

今日はこの本を紹介します。
青字は引用です。

3歳で、ぼくは路上に捨てられた Book 3歳で、ぼくは路上に捨てられた

著者:ティム・ゲナール
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

一つのジャンルと言ってもいい、
“不幸から立ち直った半生の自伝”です。
元不良、元ヤンキー、元落第生、元ヤクザ、元ヤクザの妻、等々
いろいろありますよね。
そういう本にはあまり興味をそそられないのですが、
この本は、古本屋で妻が偶然見つけたので、読んでみました。
このジャンルで大切(?)なことは、
前半の不幸部分が、どれだけ不幸か、
どれだけとんでもない人生だったか、
ということでしょう。
それが絶望的であればあるほど、
後の立ち直りが鮮やかに見えます。
そういう意味では、この本はかなり鮮やかです。
帯からそのまま引用します。
母親の手によって電柱に縛り付けられ捨てられた3歳。
 父親に殴られ全身骨折。意識を失った5歳の誕生日。
 障害を負ったまま2年半の闘病生活を終えた7歳。
 病院に閉じこめられ、つらい思い出と闘った8歳。
 引き取られた家でも虐待され2度目の自殺を図った9歳。

帯はここまでですが、まだまだ不幸は終わりません。
少年院での教官による暴力とか、
少年院から脱走してホームレスになった12歳の時、
60歳の男に強姦されたり…。
そして、著者ティム・ゲナールは、
犯罪を犯す側、暴力を振るう側になっていきます。

かなりマッチョで喧嘩っ早い彼を、
その外見にとらわれず受け入れる人々に感動しました。
彼に最初にキリスト教を伝えた青年、ジャン=マリー。
彼をそのまま受け入れた、
(ジャン・ヴァニエとともに「ラルシュ(箱舟)」を創設した)
トマ・フィリップ神父。
彼の誕生日に、二日かけてタイプした5行の手紙をプレゼントした、
重度の障害を持つ少年フレデリック。
そして、彼に愛を告白した、
上流階級のお嬢さん」マルティーヌ(現妻)。
その他たくさんの人びとに、彼は何度も癒されます。

226ページの、
自分が誰かから無償の愛を受けたことに気づいたとき、人は絶望から解き放たれる。
という一文に、
この本が要約されていると思います。

「無償の愛」と言うのは簡単ですが、
実際に行なうのはおそろしく難しいことだと思います。
でも、
それを実行している人たちが実際にいるということが、
とても嬉しく、希望をもらいました。

|

« ロバート・N・ペック「続・豚の死なない日」は素晴らしい! | トップページ | デフォー「ロビンソン・クルーソー」 »

小説以外(海外)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/504160/29120337

この記事へのトラックバック一覧です: ティム・ゲナール「3歳で、ぼくは路上に捨てられた」:

« ロバート・N・ペック「続・豚の死なない日」は素晴らしい! | トップページ | デフォー「ロビンソン・クルーソー」 »